ありがとう、高やん

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    <田川市・高やん>

    久しぶりの高やん(正確には高やん跡地)です。
     

    今日、この土地の売却の手続きが完了し、新しい持ち主さんに引き継がれました。


    新しい持ち主さんはとても穏やかな方で、駐車場として使われるそうです。

    すべて終ってほっとした持ち主さんの笑顔。

    それでいいのです。

    新しいスタートなのです。



    ここにあった、古くて壊れかけた家のお話はもう過去、それは全部ワタシがもらったのです。

    高やんにかかわってくれた友達、ブログを読んでくれた方、みんなにちょっとずつあげたのです。

    だから、無駄なことなんて、ひとつもなかった。




    正直に言うと

    帰り道にぽろぽろ泣きました。


    以前高やんの再生は難しいとわかって、解体するしかないと思ったときも

    同じ道をぽろぽろ泣きながら帰りました。


    解体現場を見たときは、ワタシ車の中で声を上げて泣きました。



    「再生できなくてごめんね」



    でも

    それでも無駄なことなんて無かったのです。


    何もしなかったよりも

    しようとして、苦しんで、泣いて、

    解体して、次の持ち主さんにつなげられたこと


    結果を出せた、ということ。



    高やん、ありがとう。




    ありがとう。



    変わる風景

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      田川の高やんのあった土地ですが、不動産屋さんに看板を立ててもらいました。


      売ります。
      土地はあんまり広くないけど、場所は悪くないと思っています。



      興味のある方はこちらへ→  




      写真撮影ついでに、ご近所の駄菓子屋のおばあちゃんに会いたくなりました。

      歩いてもお店がありません。
      それらしい場所にはリフォームしたばかりの家がありました。

      おばあちゃん、商売辞めたんだろうな・・・と思いながら帰ってると
      これまた懐かしい文房具屋さんがあります。

      ついカラカラと戸を開け、「ちょっと懐かしいので見てもいいですか?」と声をかけると、おくから小さなおばあちゃんが出てきました。

      駄菓子屋さんの話をすると
      「去年、急に亡くなったのよ」と教えてくれました。


        ・・・そうだったのかぁ、いつかまた会えると思ってたのに・・・




      ワタシがはじめて田川に来たとき、すぐ近くには炭鉱長屋が残っていました。



      もう解体を待つだけの姿でしたが、宇美町の炭鉱長屋を知ってたので妙な親近感が湧いたのを覚えています。

      今はもう更地となり、跡形もありません。



      時間はとまらず流れ続けて、変わらぬ風景なんてないのかもしれません。


      でもワタシの心には、田川の駄菓子屋のおばあちゃんも、文房具屋のおばあちゃんも確かにあるのです。


      あの時話せてよかった。
      (写真は在りし日の畠山商店)


      おばあちゃんのご冥福をお祈りします。

             
            古家

      解体されました。

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        <田川市・高やん>

        解体されて、更地になりました。


        もう何も残っていません。




        解体の途中を見に行った時、

        鼻の奥がつーんとして

        車から降りられずに通り過ぎました。


        あの柱や梁や畳やトタンが、私の知っている姿でなくなり、バラバラのゴミのかけらになっていく。

        なんて儚い。




        次の週に見に行くと、地面には何もありませんでした。

        久しぶりに日を浴びて、頼りなく目をしばたいてるような地面。


        そこにはもう、ワタシの心を掻きむしった高やんはいませんでした。


        歩いても何も感じませんでした。




        悲しいとか

        辛いとか

        寂しいとか

        悔しいとか


        ちっぽけな感情に振り回されるワタシ。


        でも本当は

        悲しいだけでなく

        辛いだけでなく

        寂しいだけでなく

        悔しいだけではなく


        少しずつ混ざり合ってるけど、それだけではない、言い表しがたい実感があるのです。

        独特の苦い飲み物を火傷しながらも飲み下してるような 
        奇妙な痛みから現れる、今まで知らなかった自分という生体。



        高やん、ワタシはもっと強くなるよ。


        忘れないよ。



        アルバムたち

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          <田川市・高やん>

          昨年末は大家活動を頑張りすぎました。


              反動がきました。


          しばらく、地面に近いところにジメジメしてました。
          「どうせ・・・無理だ・・・・結局入居が決まるわけ無い・・・・もうダメダメなんだ・・・・」


          どん底気分ついでに、高やん解体のために仲介の不動産屋さんに電話しました。
          すると地元の解体業者さんに連絡してくれると言ってくれました。

          不動産屋さん:「近くを通る時に時々見てましたよ。解体できるようになってよかったですね、それがいいですよ」

          ワタシ:「はい・・・ご近所の方が瓦が落ちないか心配されてたので、安心していただけると思います」


             また、地面につきました。


          「ほら・・・みんな、壊すのが正解だとわかってるんだ・・・・古家好きなんて言ったって結局さ・・・・何をやってたんだろう」


          ジメジメ、ウジウジ。ごめんなさい。




          あのね


          ワタシ高やんを片づけた時、残されてた写真やアルバムを見つけてたんです。

          どうしようか、持ち主さんに渡そうか、それとも捨てようか(持っていきたいなら持っていくでしょう、捨てても構わないから置いていったのかも)、と迷ってとりあえず保管してました。


          ちらりと見たその写真には、高やんで暮らした家族の笑顔がたくさん写っていました。
          歴史と気持ちが残っていました。 


          それはワタシにこの家がどんな家だったのかを教えてくれました。
          しあわせな時間がたしかにこの家の中にありました。


          高やんを壊すと決めてから、これはワタシが持っているべきじゃない、返すべきだと思いました。


          写真やアルバムを全部箱に入れて、不動産屋さんに持ち主さんに渡してもらうよう頼みました。
          すると、なんだか心の中の結び目がほどけていくような気がしました。





          高やんは、多分外から見たら、壊れかかった廃墟のような姿でしかないけど、
          ここには1つの家族が暮らしてました。
          生活がありました。


          でも、それはもう終わりました。


          風変わりな買い主が現れたけど、この家を再生できるほどのお金はありませんでした。


          そして、もうすぐ1つの家が命を終えます。




          高やんに、塩とお酒を撒いてきました。


             お疲れ様、ありがとうね。
             前の家族は大丈夫だよ、みんなきっと元気に頑張ってるよ・・・

             さよなら、高やん。



          涙は出ませんでした。

          お互いにわかってたから・・・


          後は、解体が何事もなく終わるよう祈るだけです。



          高やんにかかわってくれた、いろいろな人たちに感謝を込めて・・・・

          高やん・写真

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            <田川市・高やん>

            高やん、来年解体します。

            解体業者さんを探して、電話をかければいいのです。



            本当はね。

            骨組みだけ残して、梁むき出しの無骨な車庫か倉庫にしてあげたかった。









            無骨な・・・

            過去を背負ってそこにある梁たち。



            生かしてあげたかった。







            ずっと解体業者さんに電話をかけられずに、今まで延ばしてたけど。

            やらないと。





            そして

            更地になった地面に


            ワタシは何を感じるでしょう・・・ 

            決心。

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              今日、ふと決心した。

              ワタシは進まなくてはならない。
              誰かのためでなく、自分のための道を。




              取り憑かれてるように、ずっと頭の中に抱えていた気持ち。

              高やんと名付けた、見捨てられたようなこの家が、可哀想でならなかった。
              なにかの光を見つけてあげたかった。
              でも、今のワタシの実力では片づけてあげるくらいしかできない。



              家は何も言わない。
              感じると思うのは、人間の心の側に映ってる影にすぎない。



              つまりはワタシの迷い。

              古家が好きと言いながら、その家を壊して売ろうかと考えてる矛盾。

              壊したら元には戻らない、しかし、家をいい状態で維持するということはお金がかかることでもあるのだ。
              何もしなければ、家は崩壊していく。


              一体どれが無責任なことなのか。
              一体どれが大切なことなのか。


              高やんのことにこだわらずに、少し離れて見れば、

              古家商をこれからも続けて行くには、たとえ少しでも利益を出していかなくてはならない。
              「趣味でやってるから、儲からなくてもいい」では、続けられない。




              再生は難しいことがわかった6月からずっと続いてきた迷いが一巡して、

              くるりと10月のワタシに落ちてきた。



              どれだけ矛盾してても、情けないほどもたついてるとしても、


              やっぱりワタシは進んでいきたいのだ、と。


              そのためには、

              解体して新しい建物を建てて貸すしかないんだ、と。






              ・・・・・無理かなぁ



              ・・・・・建築業者さんって本当は大の苦手なんだ・・・・・・・(ノムケンさんだけは別)



              ・・・・・銀行さんも苦手・・・・・・・・・(それじゃダメじゃん)



              ・・・・・いや、頑張るから。案外しっかりしてるんだから、きっと大丈夫!・・・・・・・・・





              PS:高やんは現在売り土地で物件案内に載せていますが、新築のめどがついたら削除します。
                 もし買いたい人がいたら、早めに問い合わせ下さい(←いないだろうけど)

                  問い合わせ先 furuyanokobito@yahoo.co.jp

              落ちないで!多分最終話。

              0
                <田川市・高やん>
                今度はシートの固定と瓦の落下予防の網をはりに行きました。

                もちろん、ダンナさんと一緒。


                ふと見ると、高やんの二階の窓から、なにか赤いものが見えます。



                んん、あれは、田川市石炭歴史博物館の伊田竪坑櫓だ〜〜


                素敵ぃ〜〜〜



                なんてうっとりしてると、誰かが下で話してる声が聞こえました。


                どうやら、車で通りかかったご近所の人がダンナさんに文句を言ってるようです。

                「ここの瓦が危ないのよ!
                歩いてる時に瓦が落ちてきて怪我でもしたらどうするの!」


                多分、その方は日頃からこの家の状態をよく思っていなかったのでしょう。
                いつも誰もいない家に人がいたものだから、今こそ言ってやろうとしたのだと思います。


                ダンナさんは何も返事しなかったそうです(そりゃ、自分の家でもないから返事のしようがない)

                あわててワタシが上からペコリと挨拶すると、
                言いたいことは言ったとばかりに、怒った様子で車に乗り込んで行ってしまいました。


                   なるべく迷惑をかけないように
                   頑張ってますから・・・・

                   でもダンナさんはワタシの手伝いを危険を冒してしてくれてるだけなので、
                   文句はできればワタシの方に言って下さいませんか・・・・

                   でも、近所の方に心配かけているのは本当です。


                なんとか屋根の端まで網をかけようと、ダンナさんはまた屋根に登ってくれました。

                (屋根の上で網を広げるダンナさん。なんか漁師さんみたいやな・・・)


                     危ないことまでさせて、嫌な思いさせて、申し訳ない。。。
                     ごめんね。。。


                出来る限りの網を繋げて、瓦が風で飛ばないようにしました。
                見かけは悪いけど、精一杯。

                どうしても角のところは危険すぎて網がかけられません。



                高やん、まだ頑張って・・・

                誰かに怪我だけはさせないで・・・





                帰り道、「いろいろと手伝ってくれてありがとう」とダンナさんに言いましたら
                「別にたいしたことしてないよ」とサラリ。

                「助かったよ。ワタシだけじゃ無理やもん。でも、こんなこと頼む奥さんなんておらんやろうね」
                とワタシがしみじみしてると

                「確かに!100人に1人もおらんやろ」とダンナさんは笑ってました。

                「100人に1人やったら、逆にすごいやん。めったにない経験しとるよね」←ワタシの余計な一言

                「100人に1人おっても、本当にダンナが手伝うのは0人やろ。
                危ないことなんて、お金もらってもしたくないけん」



                   ・・・・・

                   うん。

                   そうだよね。。。




                ワタシも1000人に1人いるかいないか位、世にも珍しいダンナさんと結婚した、
                めったにない奥さんなのかもしれません。


                   今度から、もう危なすぎる物件は買わないから!!!


                ダンナさんのために、そう心に誓うワタシでありました。

                落ちないで!2

                0
                  <田川市・高やん>

                  屋根に登ったダンナさんの足がズボッと屋根を突き破ってこないか、ヒヤヒヤしてると、

                  ダンナさんが屋根の隙間から「ロープ頂戴」と言います。


                  慌てて持ってきてたロープを屋根の隙間から差し入れると、

                  「このロープに、そのシート結びつけて、上にあげて」


                    そ・・・

                    そんなこと簡単に言うけど!

                  めっちゃ重くてかさばってますがな!

                  ダンナさん!!(涙)

                    でもやらなくちゃ!!

                    ダンナさんが屋根から落ちたら、ワタシのせいだっ!!

                    どうにか早くやらなくちゃ!!


                  下からは奥さんが必死にシートを押し上げ、上からはダンナさんが引っぱる・・・

                  シートが瓦にこすれて引っかかったり、少し破れたり、風で流されたり、
                  結局計画とは違う向きになってしまいました。


                  (屋根の上で黙々と作業するダンナさん)


                  しばらくして、「お〜〜い」と上から声がかかったので、

                  「どしたとッ!」とドキッとして聞くと

                  「暑い。なんか飲み物頂戴」

                  「ハイッ!!」と急いで買ってくると、上から下りてきたロープにアクエリアスをくくりつけて
                  ピンピンと合図すると、ロープがスルスルと上がっていく・・・



                    えっと・・・なんか・・・こういうシーンどっかで見たような???・・・




                  ナントカカントカ!

                  シートを屋根にかぶせました。(もう、格好悪くてもいいんだよっ←やけくそ)



                  この日は疲れ果てて、終了。


                  端を仮固定し、シートがかかってない部分の瓦が飛ばないよう網をかけるのは後日改めてやることにします。





                  しかし


                  あああ、怖かった・・・

                  ダンナさんが上から降ってきたら、よけて119番呼ぶべきか、それとも自分が下敷きになろうか、本気で迷いました。。。。




                  この話、ちょっとは涼しくなりましたでしょうか。

                  フフフフフ








                  追伸:ダンナさんいわく、

                  「こっちの屋根の方が怖くなかったよ。
                  それに、屋根に穴開けるって言っても、人間一人通るにはかなりの大きさがいるんだから、
                  簡単にいかないでしょ」





                        そ、そんなものでしたか。。。(脇汗)

                  落ちないで!

                  0
                    <田川市・高やん>
                    毎日、暑いですね。


                    じゃ、寒くなる話を一発。


                    ある日、古い家に取り憑かれた奥さんが、ダンナさんに「あのね、お願いがあるっちゃけど・・・」と真面目な顔で話しかけました。

                    「田川の家の屋根に、シートかぶせようと思うっちゃん」
                    「・・・・で?」

                    「手伝って!一人じゃしきらんけん」

                    「・・・」

                    ダンナさんの頭に浮かぶのは朝蔵の小屋の屋根を直した時のこと。
                    あれ、結構怖かったんですけど、奥さん?)


                    高やんにつくと、買ってきたでっかいシートを広げていきます。

                    「これとこれを繋げて、ここから網をつけて。
                    そして屋根にのせるとよ!」

                    自分なりに懸命に考えたメモを振り回す奥さん。

                    「このシート広げると大きいね。どうやって屋根に上げる?」

                    「屋根に上がるのは危ないから

                    二階の屋根裏側から穴開けて、

                    そこから屋根の上に出そう!

                    ねっ!

                     



                    無言のダンナさん。


                    奥さんがシートと格闘してる間に、ひょいっと二階の窓から出て、ボロボロの屋根に
                    登ってしまいました。


                    奥さん、顔面蒼白!

                    「ヒッ!

                    ヒイィィィィィィイイイ!!

                    落ちたらどうするとよ!!」


                    注意!!絶対真似しないで下さいよ!!(←そんな人は絶対おらん

                                   <続く>

                    増築部分

                    0
                      <田川市・高やん>

                      ワタシ、辛いです。

                      辛い・・・・



                      今まで扱った家は、古くても床をめくったら風が動いていました。
                      昔の大工さんの仕事をしてる痕跡がありました。


                      でも高やんは・・・・


                      適当な骨組みと安い仕上げしか感じられない。



                      もう床剥がしました。

                      ベニア板が湿気で波打っていて、我慢できませんでした。



                      やっぱり空気の抜け道がない。


                      そして屋根。



                      前の住人も苦労して直していた様子はあります。


                      でも、足場にする部分のトタン屋根自体がもう危険です。


                      トタン屋根の内側



                      あまりに適当な増築部分。

                      もともとの家の庭部分にトタン屋根を上からつけて部屋を増築・・・・その隙間から雨漏りし放題。



                      訳がわからない。


                      こんなの家じゃない。



                      もう早く壊してあげないと、もっとひどいことになっていくだけかもしれない。




                      この家が建てられた時、誇らしい姿をしていたはずなのに。

                      火事があったり、家族が増えて増築したり、二階でハトを飼ったり・・・



                      高やん。


                      なんの運命か、ワタシがこの家を壊すことになるでしょう。



                      でも、ワタシ高やんのこと、忘れないよ。


                      辛いけど・・・・ 


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