<田川市・高やん>
昨年末は大家活動を頑張りすぎました。
反動がきました。
しばらく、地面に近いところにジメジメしてました。
「どうせ・・・無理だ・・・・結局入居が決まるわけ無い・・・・もうダメダメなんだ・・・・」
どん底気分ついでに、高やん解体のために仲介の不動産屋さんに電話しました。
すると地元の解体業者さんに連絡してくれると言ってくれました。
不動産屋さん:「近くを通る時に時々見てましたよ。解体できるようになってよかったですね、それがいいですよ」
ワタシ:「はい・・・ご近所の方が瓦が落ちないか心配されてたので、安心していただけると思います」
また、地面につきました。
「ほら・・・みんな、壊すのが正解だとわかってるんだ・・・・古家好きなんて言ったって結局さ・・・・何をやってたんだろう」
ジメジメ、ウジウジ。ごめんなさい。
あのね
ワタシ高やんを片づけた時、残されてた写真やアルバムを見つけてたんです。
どうしようか、持ち主さんに渡そうか、それとも捨てようか(持っていきたいなら持っていくでしょう、捨てても構わないから置いていったのかも)、と迷ってとりあえず保管してました。
ちらりと見たその写真には、高やんで暮らした家族の笑顔がたくさん写っていました。
歴史と気持ちが残っていました。
それはワタシにこの家がどんな家だったのかを教えてくれました。
しあわせな時間がたしかにこの家の中にありました。
高やんを壊すと決めてから、これはワタシが持っているべきじゃない、返すべきだと思いました。
写真やアルバムを全部箱に入れて、不動産屋さんに持ち主さんに渡してもらうよう頼みました。
すると、なんだか心の中の結び目がほどけていくような気がしました。
高やんは、多分外から見たら、壊れかかった廃墟のような姿でしかないけど、
ここには1つの家族が暮らしてました。
生活がありました。
でも、それはもう終わりました。
風変わりな買い主が現れたけど、この家を再生できるほどのお金はありませんでした。
そして、もうすぐ1つの家が命を終えます。
高やんに、塩とお酒を撒いてきました。
お疲れ様、ありがとうね。
前の家族は大丈夫だよ、みんなきっと元気に頑張ってるよ・・・
さよなら、高やん。
涙は出ませんでした。
お互いにわかってたから・・・
後は、解体が何事もなく終わるよう祈るだけです。
高やんにかかわってくれた、いろいろな人たちに感謝を込めて・・・・