ワタシが一番初めに買ったのは、築36年の古いアパートでした。
三人目の子どもが生まれた頃で、教育費がかかる将来を考えて、給与以外に収入になるものがないかと真剣に考えたのです。
そのアパートは、独身時代通勤していた西鉄沿線の駅に近く、立地はいいと思いました。
思い切って中を見せてもらって、古いけど落ち着いて暮らせる感じがしました。
交渉してみたら、独身時代の貯金と母からの借金でなんとか買える値段に下げてくれました。
半分空室でした。
引渡しが終って、入居者さんに張りきって挨拶に行ったら、
「こんなところ、もう出るつもりだ。あれもこれも悪い、どうにかしてくれ」と言われて、真っ青になりました。
管理会社には「難しい物件ですよね、建て替えるなら建築会社を紹介しますよ」と言われました。
大事なお金をつぎ込んで、失敗してしまっただろうか、どうしよう・・・と悩みました。
もう買ってしまった以上は引き返すわけにもいかず、誰のせいでもなく自分で決めたことなので
必死にもがく大家生活がスタートしました。
いろんなことがありました。
腹の立ったこと、悔しくてたまらなかったこと、「こんなに自分でされる大家さんはいません」と管理会社に驚かれたことも。
修理もたくさんしました。
入居者さんと交わしたいろいろなやりとり。
募集のためにドキドキしながら営業にも行きました。
このアパートがワタシを鍛えてくれました。
そして
ワタシは先日、このアパートを売却しました。
こんな古いアパート(すでに築44年)は難しいと思っていたのですが、売り出して一週間ほどで申し込みをいただき、スムーズに話が進みました。
有難いことです。
苦労もあったけど、「もうこんなところ出て行く」と言っていた入居者さんも、退去されずにずっと住んでくれました。
百点満点のアパートとはいえませんが、古いわりには頑張っています。
まだまだ、頑張ってくれると思います。
ワタシのアパートではなくなったけれど
入居者さんたちの生活を守ってあげてね。
さようなら。
いろんなことがあっただけに、素直に言葉にできなかったけど
(ありがとうね・・・・)
そしてワタシは、また次の物件を買おうとしています。
できることを精一杯やってみて、あきらめずに続けてみるだけ。
それを実践してきた、このアパートの8年間が今からのワタシを支えてくれます。
古家商、また頑張ります・・・